クラバツムとロッティは、ぷっくりとした可愛らしい葉が特徴の多肉植物です。しかし、見た目がよく似ているため、「どっちがどっち?」と迷うことも多いのではないでしょうか。実際には、葉の形や紅葉の仕方、成長の仕方に違いがあり、それぞれの特徴を知ることで見分けがつきやすくなります。
また、育て方や増やし方、徒長した際の仕立て直しの方法など、クラバツムとロッティにはいくつかのポイントがあります。特に、耐寒性や霜対策、紅葉した後の葉の変化、葉挿しや胴切りでの増やし方など、初心者の方が気になる点も多いでしょう。
本記事では、クラバツムとロッティの違いを 特徴・育て方・増やし方・仕立て直しの方法 など多方面から詳しく解説します。
さらに、冬の越冬対策や日当たり、水やりの頻度、直射日光の影響、培養土の選び方まで詳しく紹介するので、購入時の判断や栽培の参考にしてください。
記事のポイント
- クラバツムとロッティの違い(葉の形、紅葉、成長習性など)
- クラバツムとロッティの育て方(水やり、日当たり、耐寒性など)
- 増やし方や仕立て直しの方法(葉挿し、胴切り、徒長対策など)
- 冬の越冬対策や紅葉後の管理方法(霜対策、肥料、水やり頻度など)
クラバツムとロッティの違いとは?特徴や育て方を解説

- クラバツムとロッティの原種と自生地
- 学名と別名から見る両者の違い
- 葉の形や色、紅葉の変化を比較
- 生育期と休眠期の違いを知ろう
- どこに置くべき?耐寒性や直射日光の影響
- 水やりの頻度や方法、気温や季節ごとのポイント
- 病気・病害虫対策!健康に育てるためのポイント
- 良くある質問と回答(FAQ)
クラバツムとロッティの原種と自生地

クラバツムとロッティは、どちらも多肉植物の一種であり、ぷっくりとした可愛らしい葉を持つことから、多肉植物愛好家の間で人気があります。しかし、これらの植物は見た目が似ているため、違いが分かりにくいと感じる方も多いでしょう。そこで、まずは原種と自生地について解説します。
クラバツム(Sedum clavatum)は、ベンケイソウ科マンネングサ属(Sedum)の植物で、メキシコを原産地としています。比較的乾燥した環境を好み、強い日差しにも耐える性質があります。ロゼット状に広がる葉が特徴で、淡い緑色から寒い時期には赤みがかることもあります。
一方、ロッティ(Sedum × rubrotinctum ‘Lotti’)は、同じくベンケイソウ科のマンネングサ属に属しますが、クラバツムとは異なり、交配種(ハイブリッド)とされています。ロッティの親種とされるのは、「虹の玉(Sedum rubrotinctum)」であり、同じくメキシコ原産です。しかし、ロッティは人工的に作られた園芸種であり、自然界には自生していません。
このように、クラバツムは原種であり、ロッティは交配種という違いがあります。自生地の環境を考慮すると、クラバツムは比較的乾燥した場所に適応し、ロッティは園芸向けに改良された品種であるため、日本の環境でも育てやすい特徴を持っています。
学名と別名から見る両者の違い
クラバツムの学名は「Sedum clavatum」、ロッティの学名は「Sedum × rubrotinctum ‘Lotti’」です。この学名を見てもわかるように、ロッティには「×(交配種)」の記号がついており、自然の中で自生する原種ではなく、異なる種の掛け合わせによって生まれたことが示されています。
また、別名にも違いがあります。クラバツムは「セダム・クラバツム」とそのままの名前で呼ばれることが多いですが、ロッティは「ミニ虹の玉」や「小型虹の玉」といった名称で呼ばれることがあります。これは、ロッティの親種である「虹の玉」に似た特徴を持つためです。
名前の違いからも、クラバツムは原種であり、ロッティは交配種として作出された品種であることがわかります。この点は、購入時にどちらを選ぶべきかの判断基準としても役立ちます。
葉の形や色、紅葉の変化を比較

クラバツムとロッティは、葉の形や色、紅葉の仕方に違いがあります。これらの違いを知ることで、見分けやすくなるでしょう。
クラバツムの葉は、比較的丸みを帯びており、やや扁平な形状をしています。葉の表面には白みがかった粉(ブルーム)が付いており、触れると粉が取れてしまうことがあります。通常の葉色は淡いグリーンですが、寒さが増してくると薄いピンクや赤色に紅葉することがあります。
一方、ロッティの葉は、クラバツムに比べて細長く、よりぷっくりとした形状をしています。ブルームはほとんどなく、ツヤのある葉が特徴です。ロッティは寒さによって紅葉しやすく、秋から冬にかけて葉全体が赤やオレンジ色に変化します。特に、日当たりが良い環境で育てると、より鮮やかな色合いになります。
このように、クラバツムは葉の表面が粉っぽく、紅葉も控えめなのに対し、ロッティはツヤがあり、紅葉が鮮やかに出るという違いがあります。紅葉の美しさを楽しみたい場合は、ロッティのほうが適しているかもしれません。
生育期と休眠期の違いを知ろう
クラバツムとロッティはどちらも春秋型の多肉植物であり、春と秋に活発に成長します。一方で、夏と冬には成長が緩やかになり、休眠期に入るため、水やりや管理方法に注意が必要です。
クラバツムは、比較的涼しい環境を好み、夏の高温多湿には弱い傾向があります。梅雨時期や真夏には水を控えめにし、風通しの良い場所に置くことが重要です。また、冬も寒さに弱いわけではありませんが、霜に当たるとダメージを受ける可能性があるため、屋外で管理する場合は注意が必要です。
ロッティも基本的には春秋型ですが、クラバツムに比べると耐暑性・耐寒性ともにやや強い傾向があります。そのため、夏でもある程度の管理がしやすく、冬場も軒下などであれば屋外管理が可能なことが多いです。しかし、極端な寒さには耐えられないため、気温が氷点下になるような地域では、室内に取り込むのが無難でしょう。
こうして見ると、クラバツムは夏の暑さに注意が必要であり、ロッティは比較的管理しやすい多肉植物と言えます。どちらも休眠期には水を控えめにし、適切な管理を行うことで、健康的に育てることができます。
どこに置くべき?耐寒性や直射日光の影響

クラバツムとロッティを健康に育てるためには、どこに置くべきかが重要なポイントになります。日当たりや気温の管理を適切に行わなければ、徒長や葉焼け、寒さによるダメージを受ける可能性があります。
まず、 クラバツムの置き場所 についてですが、基本的に 日当たりと風通しの良い場所 が適しています。特に春と秋の成長期には、しっかりと日光を浴びることで葉の色合いが良くなり、元気に育ちます。ただし、真夏の直射日光にはやや弱く、強い日差しに当たりすぎると葉焼けを起こすことがあります。そのため、 夏場は半日陰や遮光ネットを活用するのがベスト です。
ロッティの場合も 日光が大好きな植物 ですが、クラバツムよりも若干耐暑性があるため、夏場でも比較的直射日光に強い傾向があります。しかし、真夏の昼間に何時間も強い日差しを浴びると、やはり葉焼けを起こすリスクがありますので、 明るい日陰や軒下などで管理するのが理想的 です。
耐寒性の違いについても考慮しましょう。
クラバツムはある程度の寒さには耐えられますが、 霜が降りる環境では枯れる可能性があります。 氷点下になるような寒冷地では、冬の間は室内に取り込むか、不織布などで防寒対策を行うことをおすすめします。
一方、ロッティはクラバツムに比べると耐寒性が若干高いものの、やはり 霜には弱い ため、冬場の屋外管理には注意が必要です。気温が5℃を下回るようなら、 室内の明るい窓辺やビニール温室を活用するとよいでしょう。
まとめると、
- 春秋は日当たりと風通しの良い場所で管理
- 夏は直射日光を避け、半日陰に置く
- 冬は霜を避け、寒冷地では室内管理
これらのポイントを押さえることで、クラバツムとロッティを健康に育てることができます。
水やりの頻度や方法、気温や季節ごとのポイント

クラバツムとロッティの水やりは、季節や環境によって調整することが大切です。多肉植物は乾燥に強い反面、過湿に弱いため、 適切な頻度と方法で水を与えることが育成のポイント になります。
春と秋(成長期)
クラバツムとロッティは、 春と秋に最も成長が活発になります。 そのため、この時期は水をしっかり与えて成長を促すのがベストです。 土が完全に乾いてからたっぷりと水を与える「底面吸水」や「腰水法」 も効果的です。頻度としては、 7~10日に1回 を目安にするとよいでしょう。
夏(休眠期)
夏は特に注意が必要です。 クラバツムは暑さに弱いため、根腐れを防ぐために水やりを減らす必要があります。 目安としては、 2~3週間に1回程度 で十分です。また、葉に直接水がかかると蒸れて傷みやすいため、 株元にそっと水を与える のがポイントです。
ロッティはクラバツムよりも耐暑性がありますが、やはり夏は休眠傾向になるため、 水の与えすぎには注意 しましょう。特に蒸し暑い日は風通しを良くし、水やりのタイミングを朝や夕方の涼しい時間帯にすることで、蒸れを防ぐことができます。
冬(休眠期)
冬の水やりは、 極端に控えめにする 必要があります。寒さで成長が止まるため、水を与えすぎると根が傷んでしまいます。 1カ月に1回程度 の水やりで十分です。特に 気温が5℃以下になると水を吸収しにくくなる ため、水を与えずに断水することも選択肢の一つです。
ポイントのまとめ
- 春秋は土が乾いたらたっぷり水を与える(7~10日に1回)
- 夏は蒸れを防ぐため、2~3週間に1回程度に控える
- 冬は成長が止まるため、水やりを1カ月に1回程度に減らす
水やりの頻度を適切に調整することで、クラバツムとロッティを長く元気に育てることができます。
病気・病害虫対策!健康に育てるためのポイント
クラバツムとロッティを育てる上で、 病気や害虫の被害に遭うことは避けたいポイント です。特に多肉植物は乾燥に強い反面、湿気や過湿には弱いため、 病気や害虫の発生を防ぐための管理が重要 になります。
主な病気
- 根腐れ – 水の与えすぎによって発生しやすく、根が腐ると株全体が弱ります。水はけの良い土を使い、適切な頻度で水やりを行うことで予防できます。
- うどんこ病 – 風通しが悪いと白い粉のようなカビが発生します。通気性を確保し、発生した場合は ベニカXスプレーなどの殺菌剤を使用する のが効果的です。
害虫対策
- アブラムシ – 新芽に発生しやすく、植物の栄養を吸い取ります。見つけ次第、 ピンセットや粘着テープで除去する か、害虫対策スプレーを使用するとよいでしょう。
- カイガラムシ – 白いワックス状の殻に覆われている害虫で、放置すると被害が拡大します。 歯ブラシでこすり落とすか、薬剤で駆除 することが重要です。
病気や害虫の予防策
- 風通しの良い場所に置く
- 水はけの良い土を使い、過湿を避ける
- 害虫が発生したら早めに除去する
- 月に1回ほど、殺菌・防虫スプレーを使用する
このように、 日々の観察と適切な管理 を行うことで、クラバツムとロッティを健康に育てることができます。
良くある質問と回答(FAQ)

Q1. クラバツムとロッティの違いを一番簡単に見分ける方法は?
A:
クラバツムとロッティを見分ける最も簡単な方法は、 葉の形状と質感を比較すること です。
- クラバツム は 葉がやや扁平で、表面に白い粉(ブルーム)が付着 しているのが特徴です。紅葉時もほんのりピンクがかる程度で、全体的に淡い色合いになります。
- ロッティ は 葉がよりぷっくりとして丸みがあり、ツヤのある表面 を持ちます。紅葉すると赤やオレンジ色に染まり、より鮮やかな変化を見せます。
この違いを覚えておくと、購入時に迷うことが少なくなります。
Q2. クラバツムとロッティは、初心者でも育てやすいですか?
A:
どちらも 初心者向けの多肉植物 で、比較的育てやすい種類です。
しかし、クラバツムは 高温多湿に弱いため夏場の管理がやや難しく、ロッティは 徒長しやすい傾向があるため日照管理が必要 になります。
ポイントとして、
- 水はけの良い土を使用する
- 風通しの良い場所に置く
- 成長期(春秋)にはしっかり日光を当てる この3つを守ることで、初心者でも健康的に育てることができます。
Q3. クラバツムとロッティの育成に適した環境は?
A:
基本的には日当たりと風通しの良い場所 が最適です。
- 日光: 直射日光を避ける必要はありませんが、夏場の強い日差しには注意が必要です。遮光ネットや半日陰の環境で育てると葉焼けを防げます。
- 風通し: 蒸れに弱いため、 屋内で管理する場合はサーキュレーターを活用 するのがおすすめです。
- 温度: 耐寒性はありますが、 5℃以下になる場合は室内管理 をするとダメージを防げます。
Q4. クラバツムとロッティの紅葉を綺麗に出すコツは?
A:
紅葉をしっかり楽しむには、 「寒暖差」と「水やりの調整」 がポイントです。
- 気温差を作る: 朝晩の寒暖差がある環境(昼は20℃、夜は10℃以下など)を作ることで、紅葉しやすくなります。
- 水やりを控える: 秋~冬にかけて 水を控えめにする ことで、葉の色が濃くなります。特に冬は月1回程度の水やりに抑えると紅葉が長持ちします。
- 日当たり: 日光不足だと紅葉しにくいため、 最低でも1日5~6時間は日光に当てること が大切です。
Q5. クラバツムとロッティは葉挿しで増やせますか?
A:
はい、どちらも 葉挿しで増やすことが可能 です。
ただし、クラバツムは 葉挿しの成功率がやや低め なので、成功させるためには しっかり乾燥させてから土に置く ことが重要です。
葉挿しの手順は次のとおりです。
- 健康な葉を丁寧に取り、風通しの良い日陰で 2~3日乾燥 させる。
- 土の上に葉を置き、水は与えずに 1~2週間待つ。
- 根が出てきたら霧吹きで軽く水を与え、成長を見守る。
- 新しい葉が育ったら、個別の鉢に植え替える。
ロッティは葉挿しの成功率が高いため、 初心者でも増やしやすい品種 です。
Q6. クラバツムやロッティが徒長したらどうすればいい?
A:
徒長とは、 日照不足や水の与えすぎで茎が伸びすぎてしまう現象 です。
徒長してしまった場合は、次の方法でリセットできます。
- 胴切りをする: 伸びすぎた茎をカットし、切り口を2~3日乾燥させた後、土に挿して発根を待つ。
- 日当たりを改善する: 1日6時間以上の日光が確保できる場所に移動する。
- 水やりの頻度を見直す: 徒長の原因が水やりのしすぎであることも多いため、 完全に土が乾いてから与える ようにする。
適切に対処すれば、美しい形を取り戻せます。
Q7. クラバツムとロッティの冬の管理方法は?
A:
冬場は 気温が5℃以下になるとダメージを受ける可能性 があります。
- 室内に取り込む: 気温が低い日は、室内の窓際など 明るい場所 で管理しましょう。
- 水やりを控える: 冬の間は 月1回程度の水やり で十分です。
- 霜対策をする: 屋外で管理する場合は、不織布やビニール温室を利用して防寒対策を行うと安心です。
Q8. クラバツムとロッティの根腐れを防ぐ方法は?
A:
根腐れを防ぐためには 水やりと土の管理が重要 です。
- 水は土が完全に乾いてから与える。
- 水はけの良い土(多肉植物用培養土+軽石)を使用する。
- 鉢底に穴が空いている鉢を選び、受け皿に水を溜めない。
- 風通しの良い環境を確保する。
根腐れしやすい場合は 底面吸水法(鉢の底から水を吸わせる方法) を試すと改善できることがあります。
Q9. クラバツムとロッティは花を咲かせる?
A:
どちらも 春~初夏にかけて白やピンクの小さな花を咲かせます。
ただし、 株が成熟しないと開花しにくい ため、2~3年以上しっかり育てることが必要です。
Q10. クラバツムとロッティを寄せ植えにしても問題ない?
A:
はい、 どちらも生育サイクルが似ているため寄せ植えに適しています。
ただし、 水はけの良い土を使用し、日当たりのバランスを考えて配置すること がポイントです。
クラバツムとロッティの違い:仕立て直しと増やし方

- 葉挿しと胴切り、それぞれの増やし方のコツ
- 交配式と徒長の影響、形を整える仕立て直し
- 紅葉した後も葉は落ちるのか?その対策
- ぶよぶよになったら要注意!病気と対処法
- 冬の越冬方法と霜対策、置き場所の工夫
- 肥料と培養土の選び方、元気に育てる秘訣
- 季節ごとの育て方、クラバツム・ロッティの魅力
葉挿しと胴切り、それぞれの増やし方のコツ
クラバツムとロッティはどちらも増やしやすい多肉植物ですが、 葉挿し と 胴切り という2つの方法で繁殖させることができます。それぞれの方法には特徴があり、成功率を上げるためには適切な手順を踏むことが重要です。
葉挿しの方法とポイント
葉挿しとは、 健康な葉を切り取って土の上に置き、新しい株を育てる方法 です。クラバツムとロッティは葉挿しで簡単に増やすことができるため、初心者でもチャレンジしやすい増やし方です。
- 健康な葉を選ぶ
- 葉挿しをする際は、 しっかりと成熟した健康な葉を選ぶ ことが重要です。変色したり傷んだ葉は発根しにくいため避けましょう。
- 葉をきれいに外す
- 葉を取るときは、 茎の付け根から優しくひねるようにして外します。 無理に引っ張ると葉の基部が傷んでしまい、発根しにくくなるので注意しましょう。
- 葉を乾燥させる
- すぐに土に挿すのではなく、 風通しの良い日陰で2~3日乾燥させる ことで、傷口が塞がり腐敗を防げます。
- 土の上に置く
- 乾燥させた葉を、 多肉植物用の培養土の上に軽く置く だけでOKです。埋める必要はありません。
- 発根を待つ
- 1~2週間ほどで根が出てきます。この間、水やりは不要です。 発根後に霧吹きで軽く水を与える と、成長が促進されます。
- 新芽が育ったら植え付ける
- 根と新しい芽が成長したら、個別の鉢に植え替えます。このとき、強い直射日光には当てず、 明るい日陰で徐々に慣らしていく ことがポイントです。
胴切りの方法とポイント
胴切りは、 徒長した株をカットし、切り分けた部分をそれぞれ新しい株として育てる方法 です。特に、 徒長して縦に伸びすぎたクラバツムやロッティの仕立て直し に有効です。
- 切る位置を決める
- 元の株のバランスを考えながら、 葉が密集している部分を残すようにしてカット します。茎の途中を切る場合は、 清潔なハサミ を使いましょう。
- 切り口を乾燥させる
- 切った部分は 2~3日乾燥させる ことで、細菌の侵入を防ぎます。乾燥不足のまま土に植えると、腐敗の原因になるため注意しましょう。
- 土に挿す
- 乾燥したら、 水はけの良い土に挿して固定 します。植え付け直後の水やりは避け、 根が出てから軽く水を与える ようにします。
胴切りを行うことで、 元の株も再生しやすくなり、新しい株も増やせる ため、効率よく増殖が可能です。
交配式と徒長の影響、形を整える仕立て直し

クラバツムとロッティは、それぞれ成長の仕方が異なるため、仕立て直しの方法も変わってきます。特に 徒長(茎が間延びしてしまう現象) を防ぐためには、日当たりと適切な管理が必要です。
交配式による成長の違い
クラバツムは原種であるため、 比較的ロゼット状にまとまりやすい 傾向があります。しっかりと日光に当てることで、葉がぎゅっと詰まり、美しい形を維持できます。
一方、ロッティは交配種であり、 やや徒長しやすい性質 があります。特に、 光が不足すると茎が伸びやすくなる ため、注意が必要です。
徒長した場合の仕立て直し
徒長してしまった場合、 胴切りをしてリセットするのが最も効果的 です。また、 日光不足が原因の場合は、置き場所を変えて日当たりを改善する ことも大切です。
- 適度に日光に当てる
- 日当たりが悪いと徒長の原因になります。 1日5~6時間は直射日光に当てる ようにしましょう。
- 胴切りでリセットする
- 胴切りをして、新しい株として成長させます。親株も再生しやすくなるため、 見た目を整えながら増やすことができる というメリットがあります。
- 水やりの頻度を調整
- 水を与えすぎると徒長の原因になります。成長期でも、 土が完全に乾いてから水を与える のがポイントです。
紅葉した後も葉は落ちるのか?その対策

クラバツムとロッティは 寒くなると紅葉する性質を持っています。しかし、 紅葉後に葉が落ちる場合は注意が必要 です。
紅葉後に葉が落ちる原因
- 水不足
- 紅葉した後に葉がポロポロ落ちる場合、 水分不足の可能性 があります。特に冬場の断水が長すぎると、葉がしおれて落ちることがあります。
- 寒さによるストレス
- 気温が急激に下がると、多肉植物は 葉を落として防御反応を示す ことがあります。夜間の冷え込みが厳しい場合は、 室内に取り込むなどの対策 が必要です。
- 病気や根腐れ
- 葉がぶよぶよして落ちる場合は、 根腐れや病気が原因の可能性 があります。鉢を持ち上げて、 土の状態や根を確認し、適切な対処 を行いましょう。
対策
- 冬場の水やりは控えつつ、完全に断水しない
- 寒さ対策として、不織布や簡易温室を活用
- 病気の兆候があれば、早めに植え替えを検討
紅葉は美しいものですが、葉が落ちる場合は 環境や管理方法を見直すことで、防ぐことができます。 こうしたポイントを押さえながら、クラバツムとロッティを健康に育てましょう。
ぶよぶよになったら要注意!病気と対処法
クラバツムやロッティを育てていると、 葉がぶよぶよしてしまう現象 が起こることがあります。これは、 根腐れや病気、水やりの問題 などが原因で起こることが多く、放置すると株全体が枯れてしまう可能性があります。そのため、 早めの対処 が重要です。
ぶよぶよの主な原因
- 水の与えすぎによる根腐れ
- 多肉植物は乾燥に強い一方で、 過湿状態が続くと根が腐りやすくなります。
- 特に、 排水性の悪い土や鉢 を使っていると、水がうまく抜けず、根が常に湿った状態になり、 腐敗の原因 となります。
- 寒さによる細胞破壊
- クラバツムとロッティは 寒さに弱い性質 を持っているため、 冬場に霜に当たると葉の細胞が破壊されてしまい、ぶよぶよになる ことがあります。
- 気温が5℃以下になる場合は、室内に取り込むか、不織布をかけて寒さ対策を行いましょう。
- 病害虫の影響
- カビや細菌が原因で腐る こともあります。特に、葉に黒い斑点が現れてぶよぶよしている場合は、 細菌性の病気の可能性 があります。
- 害虫(カイガラムシやアブラムシ)による被害 で植物が弱ると、病気が発生しやすくなります。
ぶよぶよになったときの対処法
- 腐った部分は切り取る
- ぶよぶよしてしまった葉や茎は 清潔なハサミでカット し、広がるのを防ぎます。
- 根腐れしている場合は植え替え
- 土が湿りすぎている場合は、 根を確認し、傷んでいる部分を切り取り、新しい土に植え替える ことが重要です。
- 水はけの良い培養土 を使用し、鉢底に軽石を敷くと、排水性が向上します。
- 水やりの頻度を見直す
- 土が完全に乾いてから水を与える ことを徹底し、冬場は特に水を控えめにします。
- 底面吸水法(鉢の底から吸わせる方法) も、水のやりすぎを防ぐのに有効です。
このように、 ぶよぶよの原因を特定し、適切な処置を施すことで、クラバツムとロッティを回復させることができます。 早めの対応が重要なので、異変を感じたらすぐに対処しましょう。
冬の越冬方法と霜対策、置き場所の工夫

クラバツムとロッティは、寒さに弱い品種ではありませんが、 霜や氷点下の気温にさらされるとダメージを受ける 可能性があります。特に、日本の寒冷地では 適切な冬越し対策が不可欠 です。
冬の寒さによるリスク
- 霜に当たると葉が傷む
- クラバツムもロッティも霜には非常に弱い ため、屋外に放置すると、葉が黒く変色し、最悪の場合枯れてしまうことがあります。
- 水を吸えなくなり、根が傷む
- 気温が低くなると、 多肉植物の根が水を吸いにくくなる ため、 水やりを続けていると根腐れを引き起こす可能性 があります。
- 成長が止まり、弱りやすくなる
- 冬場は休眠期に入るため、 成長がほとんどストップします。 そのため、水や肥料を過剰に与えすぎると逆効果になることがあります。
冬の越冬方法
- 室内に取り込む
- 気温が 5℃を下回る地域では、室内管理が必須 です。
- 窓辺の日当たりの良い場所 に置き、できるだけ 光を確保 します。
- ビニール温室を活用する
- 屋外管理をしたい場合は、 ビニール温室や簡易温室を設置する ことで、霜や冷気から守ることができます。
- 水やりは月1回程度に控える
- 冬場の水やりは極力控えめにすることがポイントです。 土が完全に乾燥してから少量の水を与えるようにしましょう。
- 霜対策として不織布を活用
- 不織布をかぶせることで、冷え込みによるダメージを軽減 できます。特に、夜間の冷え込みが厳しい日は、しっかりと対策しましょう。
このように、 冬の管理は適切な環境作りが重要 です。寒さに弱いわけではありませんが、 霜や水の管理を誤るとダメージを受けやすい ため、慎重に対策をしましょう。
肥料と培養土の選び方、元気に育てる秘訣
クラバツムとロッティを 健康的に育てるためには、適切な肥料と培養土の選び方が重要 です。特に、多肉植物は過剰な栄養を必要としないため、 適量を守ることがポイント になります。
適した培養土の選び方
クラバツムやロッティには、 水はけの良い土が最適 です。市販の 多肉植物用培養土 を使うのが基本ですが、自作する場合は 赤玉土・鹿沼土・ピートモスをブレンドする と良いでしょう。
おすすめの配合例
- 赤玉土(小粒): 5割
- 鹿沼土: 3割
- ピートモスまたは腐葉土: 2割
この配合にすることで、 適度な通気性と排水性が確保できる ため、根腐れを防ぐことができます。
肥料の選び方と施し方
- 春と秋に緩効性肥料を与える
- クラバツムとロッティは 成長期(春と秋)に栄養を必要とする ため、この時期に ゆっくり効く肥料(緩効性肥料) を与えるのが効果的です。
- 液体肥料を成長期に月1回与える
- 液体肥料は 薄めて使い、月に1回程度が適量 です。
- 冬と夏は肥料を控える
- 休眠期に肥料を与えると、根が傷む原因になるため避ける のが基本です。
適切な土と肥料を選ぶことで、 クラバツムとロッティの成長が促進され、元気な姿を維持 できます。
季節ごとの育て方、クラバツム・ロッティの魅力

クラバツムとロッティは 春秋型の多肉植物 であり、それぞれの季節に適した管理をすることで、美しい姿を維持しながら健康に育てることができます。また、それぞれの季節に異なる魅力を楽しめることも、これらの多肉植物の大きな特徴です。ここでは 春・夏・秋・冬の管理方法と、それぞれの時期に見られる魅力 について解説していきます。
春の育て方(成長期)
クラバツムとロッティの魅力:新芽が増え、葉がぷっくりとする時期
春は 成長が最も活発になる時期 であり、 新芽がどんどん展開し、株全体がふっくらとした姿 になります。この時期に適切な管理をすることで、株がしっかりと成長し、元気な姿を維持できます。
春の管理ポイント
- 水やりはしっかりと行う
- 7~10日に1回、土が乾いたらたっぷりと水を与えます。
- 根腐れを防ぐため、必ず 鉢底から水が流れるまで与え、余分な水はしっかりと抜く ようにしましょう。
- 日当たりを確保
- 1日5~6時間は しっかりと日光に当てる ことで、葉の詰まった美しいロゼット状の形を維持できます。
- ただし、春先の急激な温度変化には注意し、寒暖差が大きい日は 室内で管理するのも有効 です。
- 肥料を適量与える
- 成長期のため、 月に1回程度の液体肥料を薄めて与える ことで、しっかりとした株に育ちます。
夏の育て方(休眠期)
クラバツムとロッティの魅力:葉色が淡くなり、涼しげな雰囲気になる時期
夏は 成長が鈍化する休眠期 に入り、特に クラバツムは高温多湿を苦手 とします。一方で、ロッティは比較的耐暑性が高いですが、それでも高温すぎると蒸れやすくなるため注意が必要です。
夏の管理ポイント
- 水やりは控えめに
- 夏は 2~3週間に1回程度の水やり で十分です。
- 蒸れを防ぐため、 葉や茎に直接水をかけず、株元に少量の水を与える ようにしましょう。
- 半日陰で管理
- 真夏の直射日光は葉焼けの原因になる ため、 明るい日陰や遮光ネットを活用 して管理します。
- 風通しを確保
- 風通しが悪いと蒸れて腐る原因になるため、 鉢を少し高い位置に置く ことで風通しを良くするのがポイントです。
秋の育て方(成長期)
クラバツムとロッティの魅力:紅葉が始まり、色の変化を楽しめる時期
秋は春と同様に 成長期 であり、紅葉が始まるため 葉色の変化を楽しめる季節 です。特に ロッティは紅葉しやすく、葉が赤やオレンジ色に染まる姿が美しい ため、紅葉を引き出す管理をするとより魅力的になります。
秋の管理ポイント
- 水やりは再び増やす
- 成長が活発になるため、 春と同じく7~10日に1回の水やり を行います。
- しっかりと日光に当てる
- 日照不足になると徒長しやすくなるため、なるべく日当たりの良い場所に置く ことが重要です。
- 紅葉を楽しむために水をやや控える
- 寒暖差があると紅葉が進む ため、10月頃から 水やりの回数を徐々に減らす ことで、美しい紅葉が楽しめます。
冬の育て方(休眠期)
クラバツムとロッティの魅力:紅葉が深まり、落ち着いた色合いになる時期
冬は 成長がほぼ止まる休眠期 に入り、気温が低いとさらに紅葉が進みます。しかし、 霜や凍結には弱いため、寒さ対策が必要 です。
冬の管理ポイント
- 水やりは月1回程度に減らす
- 気温が低くなると水を吸収しにくくなるため、 断水気味に管理するのがポイント です。
- 霜や寒波に注意
- 気温が5℃以下になると霜の影響を受けやすくなるため、室内に取り込むか簡易温室を利用する と安心です。
- 紅葉を維持するために乾燥気味に
- 冬の紅葉を楽しみたい場合は、 乾燥気味に管理しつつ、昼間に日光を当てる ことで色を保つことができます。
クラバツムとロッティの魅力まとめ
クラバツムとロッティは 季節ごとに異なる魅力を持つ多肉植物 であり、適切な管理を行うことで 美しい姿を維持しながら長く楽しむことができます。
- 春:新芽が増え、葉がぷっくりと膨らむ時期
- 夏:休眠期に入り、涼しげな雰囲気に
- 秋:紅葉が始まり、美しい色合いに変化
- 冬:紅葉が深まり、寒さで葉色が鮮やかになる
それぞれの季節に応じた管理を心がけることで、 クラバツムとロッティの持つ魅力を最大限に引き出すことができます。 育て方のポイントを押さえて、 年間を通じて楽しめる多肉植物ライフ を満喫しましょう!
まとめ|クラバツムとロッティの違い
記事のポイントをまとめます。
- クラバツムは原種、ロッティは交配種である
- クラバツムは葉が扁平で粉をまとい、ロッティは丸みがありツヤがある
- ロッティの紅葉は鮮やかな赤やオレンジ、クラバツムは淡いピンクになる
- 生育期はどちらも春と秋、夏と冬は休眠期になる
- クラバツムは高温多湿に弱く、ロッティは比較的耐暑性がある
- 耐寒性はあるが霜には弱いため、冬は防寒対策が必要
- 水やりは成長期は土が乾いたら、休眠期は控えめにする
- 直射日光が不足すると徒長しやすくなるため注意が必要
- 葉挿しや胴切りで簡単に増やせるが、クラバツムの葉挿し成功率は低め
- 紅葉を促すには、昼夜の寒暖差と水やりの調整が重要
- 根腐れを防ぐには水はけの良い土と通気性のある環境が必要
- 冬は5℃以下になったら室内管理が推奨される
- 春秋は月1回の緩効性肥料、冬と夏は肥料を与えない
- 花は春~初夏に咲くが、成熟した株でなければ咲きにくい
- クラバツムとロッティは寄せ植えに適しており、管理もしやすい
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